「年収防衛」を読みました。

年収防衛―大恐慌時代に「自分防衛力」をつける (角川SSC新書 55)年収防衛―大恐慌時代に「自分防衛力」をつける (角川SSC新書 55)
(2008/11)
森永 卓郎

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ざっと内容の紹介です。

2008年9月15日のりーマン・ブラザーズ証券が経営破綻して世界恐慌になるのではないかという状態になっており、私達の生活にも忍び寄ってきます。単なる景気後退の表れではなく、時代の大きな転換期に来ている苦しみです。

新自由主義政策をとってきたのはイギリスとアメリカと日本のみでヨーロッパでは社会民主主義でした。社会民主主義というのは弱肉強食になってしまう資本主義の欠点を高負担、高福祉で補おうとする政策です。
日本は労働時間が長いのに、所得水準はヨーロッパ並みに落ちてしまいました。
ヨーロッパは労働時間が短く、所得も低いのが当然でしたが。
それなら日本も労働時間を減らしてもいいじゃないでしょうか?

オランダは大成功した国です。
一時14パーセントの失業率になった雇用問題を解決しました。
労働側は無理な賃上げ要求しない、企業側は安易な解雇はしない、パートタイム雇用を促進する。
パートの時給を正社員と同じにする。日本は正社員2410円、パート964円。
パートも社会保険、企業年金、福利厚生など正社員と同じ待遇。
そして10年後、オランダは失業率5パーセントになりました。

無理のない働き方をしているからこそ、いい働きができたのではないでしょうか?
今の日本のように精根尽き果てて働き続けるような生活をしていたら、いい仕事なんてできないでしょう。

まず日本もパートタイマーと正社員の時給を同じにすべきです。
大部分の人が望んでいるライフスタイルは、そんなに大金持ちでなくてよいから、「そこそこ稼いで、ほどほどに暮らす」ことではないでしょうか?

景気回復策には昔から対立がありました。
19世紀末から20世紀初頭にかけてはウェーバー「勤勉と節約が経済政策の源泉」とゾンバルト「恋愛と贅沢が経済成長の源泉」の対立、
現代は新古典派(新自由主義を信望する経済学)とケイジアン(ジョン・ケインズの提唱した理論を支持する経済学者)の対立と同じ。

ゾンバルトの恋愛の効果。貴族の女性への新しい貢物、レースやガラス製品陶器、絹織物などの消費が増えました。最近でもポケットベルや携帯、パソコンなども動機が恋愛の力だったりするので同じです。付加価値のある良い物を作ることでフランスもイタリア、スペインも成功しています。
ファッション、化粧品、香水、工芸品、家具など。
ワクワクドキドキして人を感動させる芸術品は江戸時代で終わってしまって残念。明治から日本には感性の高いものづくりに失敗してしまいました。

アートは日本では100年の遅れをとってしまいました。日本やアメリカは中国の製品と競合してモノつくりが衰退して「産業の空洞化」に悩まされていますが、イタリア製品は中国製品と競合しないのでいいのです。芸術という付加価値がつくからです。

非正規社員が最近ずっと増え続けています。
この人件費カットのおかげで企業収益が増やして、大企業の役員報酬が増えた、というデータが出ているのは驚きです。この5年間で2倍以上の報酬になっているという事実があります。中小企業の役員報酬は減っているのですが。

ここから話はがらっと変わって、この時代を働くか、どう乗り切るかという話になっています。
可愛がられる人物でいること。簡単に辞めたりしない。まわりの空気を読んで仕事に取り組む。
夫婦共働きが基本。一日休養、一日教養。パートから正社員への道を目指して頑張ること。

高齢期の恋愛のすすめを書いています。食料自給率が低い。穀物が60パーセント。
多少値段が上がっても小規模でもいいから農業収入だけで生活できるしくみを作らなければ。
今の農水省のやり方は間違っていると思います。
定年退職者のニーズも多様化しているし、ライフスタイルが変化している今、独身が多くなり、今までと違っています。

資産運用についての話がありましたがここは割愛します。

この先自民党も民主党も弱肉強食の構造改革路線でいきそうなので、新自由主義は続きそうです。
なので給料も増えないで、お金がない状態がつづくとは思われますが、たとえばサーファーのコミニュティや昔の没落貴族に学んで、幸せに暮らすことを目指したらどうか?と提案しています。

「そこそこ稼いで、ほどほどに暮らす」まずは節約から。女性や主婦ならわりあい知ってる話で、家計に占める固定費からまずは節約することとか、カードのポイントをためる工夫とか、色々。
節約して賢く暮らしましょう、自分の身を守りましょうということです。

いまさら白馬の王子様が助けてくれるということはないでしょう。もう我々は強い独裁者を求めてはいけないと知っていますよね。あの独裁的な小泉さんに託してしまって、こんな状態になってしまった経験からです。

★★
確かに人間の根源にあるもの、異性を意識するからこそ、エネルギーが湧くというか生きる原動力になります。美しくありたいとか、素敵だと思いたいとか、そういうのはありますよね。
韓国俳優ヨン様ブームで韓国ドラマDVDや関連の物や韓国旅行などすごく売れましたが、やはりそこに喜びや希望があるから力も湧くと言うものです。あの経済効果はばっちりあったと言えます。
芸術的な作品や本当に美しいものに対しても、多少高くても手に入れたいという思いが出てきます。
人間というものの本質を突いているなと思います。

今の日本の政治を見てると、自民でも民主でも、大きく変化しそうにないことは確実のようです。誰かが救ってくれると夢をみたり、特定の人物に過剰の期待を寄せるのはまずいのですね。
今の現状で個人としてどうやって生きていくかが大事なんだろうと思います。
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「ルポ 貧困大国アメリカ」を読みました。

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)
(2008/01)
堤 未果

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読むのがつらい話だった。
アメリカの社会はここまでひどくなっていたのか、と驚いた。
弱い立場の若者にしわよせがきていることがよくわかるレポートである。
自由競争の原理の行き過ぎを警告し、我が国も同じようにならないように!と思う。

1950年~60年代にかけて、テレビドラマなどで流行ったアメリカの中流家庭のイメージは日本人のあこがれだった。私達にとってアメリカのイメージそのものだったこの家庭は今はすっかり変わってしまったそうだ。

レーガン大統領時代から大きく市場主義、効率主義を基盤にした政策を打ち出した。
目的は大企業の競争力を高めることで、経済を上向かせること、そのために企業に対する規制を撤廃し、緩和し、法人税を下げ、労働者側に厳しい政策を許し、社会保障を削減。

安価な労働力に負けた国内の製造業などの労働者は失業者になり、中間層は脱落し、サービス業は一部のエリート層で事足りる性質だったので、エリート層と失業者の大きな格差のある社会になってしまった。

貧困児童はみな安いジャンクフードしか食べられないので肥満になっている。
アメリカの貧困の定義は、4人家族で年収が2万ドル(220万円)以下の世帯を指すそうで、その家庭の子供が貧困児童。国から配給される食糧交換クーポン、フードスタンプに頼る生活。
とくに「マカロニ&チーズ」は安くて人気が高いらしいが、健康に気づかうことは無理で、ファーストフードチェーンと学校が契約するなどしている。
フードスタンプに頼るのはその親、大人たちもそうだという。
家に調理器具、キッチンもない家も多く、安くて調理器具、調味料のいらないもの、おなか一杯になるものを探すのでジャンクフードになってしまう。

ハリケーン・カトリーナで1000人もの死者が出た被害があったが、あれは人災だという。
救援活動する機関までがほとんど民営化していたので対応に遅れが出てしまい、迅速に出来なかった結果だった。人命救助さえもいかに安く効率よく儲けるかというしくみに入っているのは恐ろしい。

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テーマ:本の紹介 - ジャンル:学問・文化・芸術

少食健康の本

人は食べなくても生きられる人は食べなくても生きられる
(2004/10)
山田 鷹夫

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内容はほとんど食べないで生きている山田さんの実録である。
前々から一日、青汁一杯だけで生きている女性がいるとか、
聞いていたので、興味があったのだ。

随分前なので、内容は詳しく覚えていないが、
お母さんと同居されているので、どうしてもと言われて、
仕方なく付き合い程度に少し食べることもあると書いてあったが、
食べなくても元気だし、むしろ、健康になり、痩せもしないそうだ。
その時は新潟の地震の救援活動をされていたとあった。
疲れもなく、生活がシンプルになり、お金も使わなくなる。
いいことづくめだ。

テレビで以前やっていた「特捜200X」と言う番組でも
「人間は食べ物として取り入れたエネルギーと同じだけのエネルギーで生きてるわけではない?」
という話で、パプアニューギニアの原住民の人を調べたリサーチがあった。
彼らは毎日タロイモしか食べていない。
だが、筋骨隆々とした立派な体格で元気である。
栄養学的にみるとまったく説明がつかないと。

少食健康の人の体内、考えられるのは、
1、尿素の再利用
普通は対外に尿とともに出るが、彼らの体内ではたんぱく質にもう一度もどる機能が備わっているのではないか?
2、空気中の窒素を固定する菌が出る。(腸内)
パプアニューギニアの人にはそれがあった。窒素から菌体のたんぱく質を生成。
3、腸内の上皮細胞のたんぱく質がはがれ、分解され、再吸収され、たんぱく質になるのではないか?
という仮説がたつそうだ。

以前
朝食有害説―「一日二食」で健康に生きる朝食有害説―「一日二食」で健康に生きる
(1999/10)
渡辺 正

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あなたの少食が世界を救う―愛と慈悲の心で生きる少食健康法のすべてあなたの少食が世界を救う―愛と慈悲の心で生きる少食健康法のすべて
(1999/12)
甲田 光雄

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これらの本を読んでいて、
とても影響を受けていたので私もできるかなと思いもしたが、
生半可な気持で実践するのはかえって危険だと思った。
しかし、食べ物には毒も含まれる、たくさん食べれば肝臓も胃腸もフル回転になる。
病気を遠ざけ、精神も安定、かつ食糧危機にも役立つなら、こんないいことはないのだが。

現実には社会的につきあいがあって、ランチだ、お茶だとお誘いもある。
そうそう世間から離れるわけにも行かないので難しい。

山田さんのような人は人より早く進化した人間なのだろう。


「NHKスペシャル ホワイトハウスに日本を売り込め」を観ました。

あの年次改革要望書の「拒否できない日本」(関岡英之著)を読んでからは、
アメリカと日本の関係が気になって、
前まで見なかった番組を問題意識を持って観るようになりました。
少し前になりますが、オバマさんの大統領選挙前の放送で、
NHK2008年11月2日夜9時からNHKスペシャル
「ホワイトハウスに日本を売り込め」
を見ました。

シリーズ3回だということで、
内容はアメリカにある日本大使館大使の密着取材である。

弱ってもアメリカの日本への要望がまだまだ続くようだ。
日本側は「独自にこれからアメリカに何ができるか考えました!」
と言って、発表して喜ばれているようだった。
それは自衛隊派遣のことのようだ。
今の憲法変えなきゃって感じである。
国際貢献いたします!って?
アメリカの日本大使館内だから、立場上こういう態度をとるのは、
ある意味、仕方ないと理解するものの…。

アメリカが「これから国際社会に日本がどれだけ貢献できるか、日本に強いリーダーシップをとってもらいたい。日本には期待してるのです。」と激励。
強いリーダーシップ?結局国際貢献とはこのことだけなのですか。
経済問題とか技術とか頭脳とかそういうのでなく、テロとの戦いに備えて前線で戦えって?

アメリカは今、日本より中国へ向いている。
日本はジャパンバッシングじゃなくて、ジャパンナッシングになっちゃうとか。
日本の存在感なくなってる。以前貿易摩擦があったときほど今問題はあまりないからだとか。
それが困った、困ったと思っている。

私の疑問はどうして、アメリカに嫌われたり無視されるのを恐れるのか?ってことです。
「日本では今『「パラダイス鎖国』って本や言葉が流行っていると聞きました。がっかりしましたよ~」とアメリカ側。

あなたたちアメリカの戦争に巻き込まないでくれと言えない。
他国が『日本の国際貢献』=『自衛隊派遣とか憲法改正』とかに口出すとは。


日本人は常に相手に対し、仲良くしたい、悪く思われたくないと思う美徳があるのだが、ずっとこのまま身勝手なアメリカ人にへつらいを続けるのはどうだろうか、と今こそ考え直して欲しい。

外国はアメリカだけじゃないのに。元外務省勤務の方が言っていた。99%が対アメリカだったと。
これは驚きです!

私としては、アジア(インドも含む)ともっと連携して、日本が中心となってもならなくても、行った方がいいと思うのだが、マスコミ操作か何かわからないが、中国、韓国と仲良くならないように操作されてる気がしてならないのだ。

「サーカーの予言」を読んで。

サーカーの予言―資本主義は花火のように爆発するサーカーの予言―資本主義は花火のように爆発する
(2002/06)
ラビ バトラ

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この本は2002年に買って読んでいましたが、
今もう一度読みなしてみました。

ラビ・バトラというインド人の経済学者が師と仰いだサーカー師が教えてくれた予言などを元に書いている経済社会のこれからの予言書です。
師は2000年までに共産主義が崩壊すると予言していました。
そして、2005年に資本主義が崩壊すると予言していました。
が、これは少しはずれたかもしれないけれど、近い将来、
いや、今、崩壊中かもしれないのでそれほど大きくはずしたとは思えないです。

何故、資本主義が崩壊するか?2つの理由を挙げています。
①極端な富の集中。
②自由貿易。

富の集中はアメリカでは1%の人間が、なんと全体の40%の富を手にしている。
(日本は1%が全体の25%を手にしている。)

諸悪の根源は自由貿易。生産性が上がるが、賃金が上がらない。生産を賃金の低い国に移し賃金を抑えて、製品に高い値をつけて、奴隷状態にしてぼろもうけする。
賃金を抑えられた労働者は消費しようにも余裕はないので、需要と供給のバランスが悪くなり、経済は破壊する。輸送に膨大なエネルギーを使い、環境汚染する。

自由貿易はイカサマだが、政治家がこれをやめることができないのは、富めるものから献金をもらえるから政治家は手を付けられないらしい。

エンロン事件は白昼堂々行われた泥棒であったのに、なんの裁きも受けなかったこと、これはアメリカの制度の腐敗をはっきりさせた事件で、アメリカの”富の時代”の終わりだと言います。

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「規制緩和という悪夢」を読んで

規制緩和という悪夢 (文春文庫)規制緩和という悪夢 (文春文庫)
(2002/01)
内橋 克人グループ2001

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結局、どんなことにも、良い面と悪い面があることを知りつつ、改革していかねばならないのだと思うが、これもやってみなけりゃわからない,ということだったのか?

これは1994年くらいから文芸春秋にて連載されていた記事をまとめた文庫本で、今から14年も前に書かれたことだが、当時、規制緩和の大合唱中だったが、それに警鐘を鳴らしていたということがわかる。

すでにアメリカでは80年代に実験済みでわかっていたからこそ、あえて反対の論を出した。 
グループ2001はアメリカの実態を調べてみた。
規制緩和によって、得られるメリットは
新しい産業が生まれる。ビジネスチャンスが与えられる。
よって、雇用も拡大し、消費者には多用な商品・サービスが広がる。
と言う話だったが、

新産業は生まれたか?…たとえば航空業は2,3年で増えたが、元々あった大手の路線の多さのマイレージポイントの効用などで消費者は流れ、新規会社は結果つぶれて、前の会社数よりも減ってしまった。

雇用は増えたか?…正社員が減り、終身雇用制度が終わり、アルバイトや契約社員として新産業に少し吸収されたが、低賃金になった。つまり個人の所得は減った。失業率も上がった。(2002年5.4%に)

物価は安くなったか?…最初はたとえば航空チケットは一時的に競争で安くなったが、条件により割引制度が細かく設定されて(早い時期に買うすると安いが、日にちが近くなるにつれて高くなる設定など)全体として上がってしまった。

サービスが向上したか?…航空業で低料金競争になると、削られていくのがサービス、機内食の質の低下や人件費削減のため、各人労働時間の超過、派遣労働の乗務員の増加、安全面がおろそかになるなどむしろ低下した。

新規産業が入りやすくなり活発化したか?…酒類販売の許可が広がって、もともとある小売業と大手スーパーなどの競争の場合、スーパーは大量購入でたとえば、ビールなど安く出来る。小売も共同購入することで対抗して同じくらいにすることができたが、チラシもいれられず、それでもぎりぎりなので、なかなか儲けることはできなくなった。小型店はつぶれて大型店のみ残った。

それまでの日本型の資本主義は全員が痛みを分かち合う社会で、物価が高かった。しかし2%の失業率で、規制があったからこその物価高だった。
(1980年に日本2%、欧米は6%以上だったので水準高かった。)



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Author:newten
2008年9月リーマンショックの金融危機から日本の政治経済に目覚めた普通の主婦です。今までB層とバカにされていたと気がつきました。

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