ニューテンの部屋

政治経済関係の本の内容紹介とその勝手な独り言など書いています。

日本の報道は…

読売新聞の記事(2011年4月20日)で、

環境省が被災した原発14基の運転が再開できず、計画中の9基も新設できなかった場合、2020年のガス排出量が1990年比で10%増加すると試算していたことがわかった。”

これを読んでみなどう思うだろうか?
「あー、やっぱり原子力発電所を作っていかないと2酸化炭素排出量がすごく増えていくんだな」
と思ってしまうのではないだろうか?

実に巧みな言い回しだなと思う。
だまされてはいけない。
1997年の二酸化炭素の排出量は各産業別に見ると、発電からは全体の6.8%。
2007年の場合、6、1%。(電力、ガス、熱供給、水道の業種)
(CO2排出は主に、製造業からで、全体の約60%を占めている。)
つまり、この発電にかかる6%の部分のうちの1990年という古いデータから比べて、たった10%増しということであって、ごくわずかな部分である。何故2010年比としなかったのか?それも何かおかしい。さらに2020年とはずいぶん先の試算になってるのも数を増やしたいという悪意が見える。
こんな量は全体から見ると、ちょっとした産業の努力や民生(家庭)の努力でまかなえるような数字だと思う。

新聞やテレビの報道方向が偏り過ぎていて、本来、今考えなくてはならないことが隠されてしまっている。

本当は今一番にやることは、被災した人たちの救済。まだ避難生活の人が13万人以上も居て、いまだに義援金は渡されていないし、食べるものにも困っている人、子供たち、ライフラインがまだ復旧しない場所の人たちもたくさんいる。報道関係はこれを最大に問題視して、ずっとこれを追っているべきだと思う。まずは人の生活、命じゃないだろうか?
新聞やテレビで報道しなくなると、被災していない場所の人は、もうみな大丈夫なのかなと勘違いしてしまう恐れがあるからだ。お涙頂戴の感動の物語だけではなくて、実際にどこどこの場所や避難所では今どういう物資が足りないか、学校の給食ができないのは、何故か、道路が復旧していない所はどこか、等を伝えたほうが良い。
細かい問題もまだまだありそうなのに、もう解決してしまったかのように思えるのが危ないと思う。

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  1. 2011/04/20(水) 18:15:33|
  2. マスコミ報道
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日本の行方は…

まだまだ余震が続く不安な日々です。
東京に居る自分も、体が揺れるような感覚に襲われて困っていますし、
前と同じ地震、それ以上の揺れが来るのではないかとまだまだ不安です。
東北地方、原発の近くの福島県の方は毎日心労が重なっている上に強震にあい、どんなに大変でしょうか。

何故、国民は原発反対とあまり声をあげられないんでしょうか。
いまだに、原子力発電は危険でも、生活レベルを下げられないので、
使わないわけにはいかない、と言う人が多いのに驚いてしまいます。
(あきらかにこれは刷り込まれてるということですが)

これは共産主義、社会主義への強いアレルギーもあるのでは?と思います。
原発反対運動をする人は、左翼で、マルクス主義者、強硬な姿勢を取る人たち。
こういうイメージのせいだったかな、と思うのです。

自民党に任せていた時は、安定していた時代だった…という記憶もあって、
保守中道が一番、保守勢力が原発推進派なのだからまかせよう、と言う感じだったのでしょう。

何で共産党と反原発が結びついちゃったんでしょうか?
保守政党が原発反対だって良かったはずなんですけどね。

これは色々裏がある話だからなのでしょうか?
原発のように危険でコストもかかるものをわざわざ推進させるのだから、よほどのこと。
将来核を持つためだとか、アメリカのため、その技術を買うためとか、色々と。

日本人は、頼れそうなイメージだけの政治家に任せておこうみたいな、安易な感じがすっかり定着してますね。
だから、また石原慎太郎を都知事に選んだのか…。
他の候補者があまりいいと思えなかったという理由もあるでしょうけれど、
私は「NOと言える日本」を書いてた時はそれほど嫌じゃなかったけれど、今はいやです。
ばばぁ発言などの差別的な発言、独断的な発言、もう頭が古く固くなっている感じです。

世の中で偉い人、尊敬すべき人は、自衛隊員やレスキュー隊、看護師さん、ボランティアさんだと思えるこの頃。
さらに原子力発電所できつい仕事をしている臨時雇いのアルバイトさんなど、こういう命がけの作業をする人たちをもっと世の中で讃える方法はないでしょうか。マスコミに出てもらったり、何か賞を差し上げるとか。


  1. 2011/04/14(木) 19:24:09|
  2. 原子力
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地震列島の日本に原子力発電所を作るということ

以下、明治以降100名以上の死者行方不明者を出した地震、津波です。

 年代    名前    死者行方不明者数
1872  浜田地震     550
1891  濃尾地震    7273
1894  庄内地震     726
1896  明治三陸地震 21959
1896  陸羽地震     209
1923  関東地震  105000余
1925  北但馬地震    428
1927  北丹後地    2925
1930  北伊豆地震    272
1933  昭和三陸地震  3064
1943  鳥取地震    1083
1944  東南海地震   1223
1945  三河地震    2306
1946  南海地震    1330
1948  福井地震    3769
(1960 チリ津波     142)
1983 日本海中部地震   104
1993 北海道南西沖地震 2090
1995 阪神淡路大震災  6437

こうやって見てみますと、大地震の起きる時期が一塊になっていることに気がつきます。
1890年代は4回あり、次は1920年代に3回、そして1940年代の太平洋戦争のさなかに5回立続けに起きています。(1894年は日清戦争、1941~45年は太平洋戦争と地震と戦争が重なっているのはなんとも不思議ですが。)


そして驚くべきことに、50年代~80年代はほとんど大地震がない静穏な時期だったと知ることができます。
戦後の復興期、日本の経済の高度成長期のころでもありました。

そして、このころがちょうど原子力発電所が作られたはじめた時期だったのです。
最初に運転が始まったのが1970年、以後、各地の原子炉が運転を開始しているのです。

以下、原子炉の運転開始時です。 続きを読む
  1. 2011/04/06(水) 14:53:51|
  2. 地震
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「原子力神話からの解放」

この本は2000年に発行されており、私もその後に買って読んでいたものです。
本箱から引き出してもう一度読んでみました。
原子力神話からの解放
筆者は東大理学部化学科卒の原子核化学の理学博士で、まさに原子力産業の初期のころからその場に身を置いていた方。決して門外漢の素人が原発怖いと思っているような本ではありません。原子力発電における問題点に警鐘を鳴らしていたことが今になって非常に重大なことであったと思わざるを得ません。
この本を書かれたときは1999年JCOの臨界事故の後で、2000年に先生はお亡くなりになりました。
もし今、生きておられたら、どう思われるだろうか?あれほど言ったのに…と思われてるに違いありません。
追記 最近この本が復刊となりました。
原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社プラスアルファ文庫)原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/05/20)
高木 仁三郎

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九つの神話

「原子力は無限のエネルギー」という神話
1950年代後半から、当初は原子力というエネルギーに対する期待というのはすごいもので、必ずしも発電だけでなく、船や飛行機、製鉄、アイソトープ、放射線照射による様々な製品の研究などをしていたそうです。しかしやってみると、放射能の扱いがやっかいで、安全性から考えると結局、原子力発電しか使えないということになっていったそうです。
さらに、ウランの埋蔵量を知ってみると、案外少ないとわかって、がっくりしたそうです。そして高速増殖炉というものが考え出されましたが、それも今や中止されているもので、その神話もなくなっています。

湯川秀樹さんが1956年に原子力委員会が日本で初めてできた時、委員になられたそうです。原子爆弾の怖さを知りつつ、人間はこれを発電に使うだろうと予測されていたものの、しかし、原子力に対して最初からかなり違和感を持っていて、政治主導的に原子力を導入する過程に関しては非常に批判的だったということで、ほどなく委員会を辞められたのです。

「原子力は石油危機を克服する」という神話
73年にあったオイルショックは政治的に作られ、石油依存から原子力へと向かわせるきっかけを作ったようでした。そういえば、あのころ、あと30年で石油は枯渇するとか言われていましたね。実際は今も枯渇していませんが!実はこれは当時の政府が作った有力な標語だったんですね。
年2基づつ作っていくという三菱、東芝、日立の仕事を作るための計画だったとも言えるようです。
高木先生はあのオイルショックの時から他のエネルギー開発に力を入れていれば…いまごろ、こんなに原発が作られることもなく、燃料電池、風力、太陽、天然ガスなどのエネルギー転換を計っていたのではと言っています。

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  1. 2011/04/01(金) 17:59:53|
  2. 原子力
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