ニューテンの部屋

政治経済関係の本の内容紹介とその勝手な独り言など書いています。

TPPの賛成派は気分だけ?

30日朝、NHK日曜討論(10月30日)はTPP反対派と賛成派3人の討論。
一体、賛成派、どういうことを言うのだろう?と熱心に聞いてみた。

まず、ローソン社長の新浪氏、「雇用を増やす。空洞化を防ぐ。アジアの成長をとりこむ。20年間の閉塞感を打ち破る」ことに期待している様子。
大田弘子氏、「日本がアジアに開いて拡大していけるはず。そのため農業は切磋琢磨して欲しい。」とまた抽象的な希望の話。
キャノングローバル戦略研究所の山下氏、「日本が有利なルール作りを率先してできるはず。」とこれまた明るい楽観的な期待感をにじませる。
彼らは結局、具体的なことは何一つわからないまま、気分で期待しているという感じである。

反対派の3人(加藤一郎氏、藤井聡氏、鈴木宣弘氏)は決して悲観論ではなく、実際にどうなるかを分析していたので説得力があった。今TPPに入る必要もなく、無駄なことをするべきではないと冷静である。

韓国米国のFTAの例からも韓国の不利な面を見なくてはいけないし、また日本の立場をよく見極めるべきである。
賛成派3人の主張は一見至極ごもっともなのだが、それならこのTPPでないほうがいいのである。
日本のおいしい米や野菜を売りたいのであれば、むしろ相手は中国、ロシア、ブラジル、インド、東南アジア、欧州などがいい。
弱っているアメリカはもう輸出のみで輸入はしたくないとはっきり言っている。
危ない農薬の入った作物や米、遺伝子組み換えの大豆などが表示なしで入ってくるのではないか?
ローソン社長はそんな品物を店頭には並べませんと言っていたが、表示制限も撤廃されたら、どうやって見分けるんだろう?
それから、雇用を増やすというのは企業側の話か?ローソンの社員をアメリカやベトナムの店でたくさん雇うということなら、そうかもしれないなと思うが、日本人ではない可能性が多い。
山下氏は日本に有利に交渉できるはずと胸を張るが、甘くないだろうか?
大田氏にいたっては、言うことすべてがグローバリスト、新自由主義丸出しで話にならない。

この中でISD条項の話が少ししか出なかった、いや、出させてもらえなかったに近い、話を農業分野だけにしようという解説者の誘導が見られた。農業者が今まで甘やかされていたので、不満を言っているというイメージを作りたかったのだろう。

ISD条項の話をもっと詳しくすべきだった。
カナダ、メキシコとのNAFTAにおいて、アメリカ企業が進出する際にカナダやメキシコの政府や自治体が国民の健康に問題があるとされるために禁止していたガソリン内に含まれる物質や地下水汚染などの問題を起こした際に企業に撤退を申し付けたところ、国際仲裁所によって裁かれて、政府が負けてしまう、ということがもう200件以上もあるそうである。
アメリカ企業がそれによって損失があった、投資家が損をしたか否かで、さばかれるという恐ろしい条項なのだ。
そのためカナダ政府もメキシコ政府もそれらアメリカ企業に多額の賠償金を支払わされている。

メキシコが安いアメリカからのトウモロコシ輸入品に負けて、主食であるトウモロコシの自国生産ができなくなり、そして突然供給が止まった時、たいへんなことになった。食糧危機はすぐに訪れる。

内橋克人さんの提唱する地産地消、FEC圏(FOOD,ENERGY,CARE)、歩いていける範囲内ですべてまかなえる都市づくりこそ、日本の目指すべき道であるのに、TPP参加は、グローバル化、時代遅れの新自由主義、古すぎる。

翌日の10月31日フジテレビ「知りたがり!」という情報番組で珍しくTPP反対派の意見を詳しく解説していた。
ISD条項の話もしていた。メキシコ、カナダの例をあげていた。
かなり詳しく中野剛志氏が述べていた話をしていた。コメンテーターたちもここまできくと、「TPP反対の気持ちになった。」と発言。

しかし、解説者の石川という人はTPP賛成派で、ネゴにゴネるべきだと言う。つまり交渉次第で不利にならないようにがんばればいいという。
消極的な姿勢は良くない、日本が外交に消極的に見える、という賛成派は、やっぱり気分的で抽象的で感情的な理屈だけだった。考えるのが面倒になってやけになってるみたいにも見えた。

フジテレビ「とくダネ!」で先日、中野剛志氏の出演があり、YOUTUBEで観られたが、こうやって反対派の意見を解説したことは良い傾向だと思った。
田中康夫の「日本サイコー!」(BSジャパン)でも孫崎享氏が出演、「TPPは中国と韓国から日本を引き離す分断作戦」とおっしゃっていた。
日本の対中輸出は2009年からアメリカを越してしまい、さらに増え続ける様子である。これからアメリカ市場に出て行く時期でもない。
最近は野口悠紀雄、榊原英資などの経済学者もTPP反対と言っているそうである。
経済学者からみても正しくない道ということなのだ。
強力に賛成している経団連の米倉氏は住友化学の代表で、アメリカのモンサント社と深いつながりがあるために、賛成しているのではないか、と推測できる。
今回のTPPは再度のアメリカの日本占領になるほどの不平等条約になる。日本文化をまた壊されることになるのでは。
鎖国的になることも一考、この先は、BRICSと手をつなぐならば賛成もできるが、TPPだけは絶対に反対だ。
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  1. 2011/10/31(月) 14:38:57|
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脱原発と改革派

官僚の責任 (PHP新書)官僚の責任 (PHP新書)
(2011/07/16)
古賀 茂明

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テレビ、ラジオなどで元官僚の一人として内部の問題点を詳しく語り、
今回の震災においての官僚の態度などを鋭く指摘した勇気は素晴らしいとかねがね思っています。

震災時、若手官僚は連日連夜徹夜で作業に当たったのですが、官邸は機能不全であったこと、
そして官僚の中堅・幹部らの責任回避と省益にとらわれる悪弊から抜けきらないことがわかり、
東電と銀行を守れと強い指示を出す幹部にやりきれない思いを抱いたそうです。

ただ、5章「バラマキはやめ、増税ではなく成長に命をかけよ」から、おや?と感じました。
財政は苦しいので、国民は痛みを分かち合うべきで、守られすぎの人は守らないでいくべきだと言う。
ちょっとくらいかわいそうな人は守らない、できるだけ自分の力で頑張ってくださいという。
特に持って生まれた身分のある人、たとえば農業従事者、企業経営者、開業医、そして高齢者もそうであると言う。
「努力なしで手に入れられる身分、地位の人まで救わなくていい」とはっきり言っていますね…。
年金受給年齢を80歳くらいにしてもいいのではとも。
というのも、年金制度を始めたときの平均寿命は今よりも短かったので良かったが、今では収めた分よりも多く貰っているのだという。皆、平均寿命までは働くなり、不労所得を得る方法を考えるべきだと提案。
高齢者が亡くなった時、収めた額よりも多く受給を受けた年金分を返還すべきだとも書いてあったのには驚きました。

働く意志があるのに仕事につけない人には、特に職業訓練、教育に力、多くの金をつぎ込んで社会に復帰してもらえるようにすべきであると。ハローワークのやり方も甘い、不正にお金を貰っている人もいるようなので、ハローワークも民間にしてもいいと。
TPPに参加して、小規模農家に退場してもらい、大規模集約化すべきだ、農業を甘やかしているうちに企業が海外に流失してしまっている!。ここで彼の主張がはっきり出ました。TPP推進派なんですね。

2011年の今となっては、市場原理主義、新自由主義、構造改革派、などがいかに危険なものだったかわかったと思います。
最近、脱原発を唱える人は、新自由主義者の小泉元首相も含まれたりしているので、新自由主義者でも脱原発と言う人が多かったりします。
この古賀茂明氏も脱原発ですが、改革派で、新自由主義的な発想が強い人なんだなとの思いを強くしました。
既得権益で甘い汁をすっている人たちを糾弾すると国民は胸がすく思いになり、そうだそうだ、と盛り上がるのでテレビなどで取り上げられます。

テレビラジオで活躍中の荻原博子さんもそう。
「TPP参加はこの弱い野田政権では決められないでしょうね」と残念そうにコメントしていました。
彼女も経済活性化のためにTPP参加すべきと思っておられるのでしょうか。



年金は納めた分だけもらえる人もいれば、早くに亡くなり、全然もらえない人もいるのですから、長生きして多く貰ったから、ずるいとかそういうものではないと私は思いますが。

失業者に対しては、文句をいわずになんでもいいから仕事につけ、と言っているようなものなのですが、人間には職業選択の自由があるはずですから、かなり厳しい意見です。不正受給者がそんなに多いとは思えません。怠けて儲けたいという人は中には必ずいるでしょうが、しかし多くはきちんと仕事したいはずです。

古賀さんは、助け合いの精神というのはあまり信じていないのでしょう。
私が思うに、確かに甘えた構造の官僚たちは許せませんけれど、努力しないものが楽しているように見える、ということだけで突き放すことや路頭に迷わせることはできません。感情的な憎しみはここはやめたいですね。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2011/10/27(木) 15:22:59|
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怖いTPP その危険性

読売から東京新聞に変えて本当に良かったです。
毎日の気持ちが楽になりました。

TPPの危険性について山田正彦前農相にインタビューした記事がありました。
前も書きましたが、TPPが農場分野だけ、という風に思わされていますね。
しかし、24もの分野があります。

ルールを統一するということがいかに危険か。

下手したら、公用語を英語にさせられるかもです。

たとえば、日本独自の食品の遺伝子組み換え表示、JISマーク
これは「公正な競争を阻害する」という理由で廃止されるかもしれません。
遺伝子組み換え大豆などの表示は買い物する際、とても役に立っています。
これがなくなってしまうと、もう納豆も豆腐も食べられません。

医薬品や血液製剤も輸入規制が緩和されて混合診療を解禁、
国民皆保険が崩壊する恐れがあるそうです。
日本医師会が反対の立場をとったらしいですね。

他、弁護士もアメリカから自由に入ってきてしまうらしいのですが、ただでさえ、人数が多いのに、弁護士もTPPがそんな恐れがあるとは知らなかったらしく、山田氏が教えてわかったらしいです。

雇用も入国管理できなくなり、低い賃金の労働者に合わせて、低い賃金に平準化される可能性もあります。

農村も壊滅状態、多くの中小企業が倒れるかもしれないのです。
農家が今まで守られている、と思わされてましたが、それは今までの報道が偏っていただけでのようで、実際とは違うようです。
民主党には「TPPを慎重に考える会」が180人いるそうなので、ここはぜひ、がんばってもらいたいです。

TPPに参加するか否かは、重大な問題で、簡単に決めてもらっては困ります。
菅総理の平成の開国なんてふざけたこと、震災前だったので、忘れかけていましたが、とんでもない話です。
農業分野の関税撤廃だけだったら、2国間でFTAをどんどんやったらいいことです。

http://iwakamiyasumi.com/archives/6578山田正彦議員のインタビューです。

これは大震災の前のインタビューなので、震災後や現内閣については語れていませんが、今こそ、知るべき内容だと思います。

反対も空しく、TPPに参加してしまったら、これからこの国はどうなるのか…不安がつのります。

  1. 2011/10/10(月) 14:28:04|
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たいへんなアメリカ

アメリカでは大規模デモが拡大中。
これは低迷する経済や高い失業率への若者の不満に火が付いた形だと報道されています。
日本でもこういう報道が(少しだけでも)されているくらいだから、実際はもっと深刻なのでは?
700人も逮捕されたというのだから、尋常ではないような気がします。

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ちょうど先日
日本から少し目を離して、これらの映画を観たばかりです。
マイケル・ムーア監督の3本を立続けに。
「ロジャー&ミー」1989年作
「キャピタリズム」2009年作
「シッコ」2007年作


ムーア監督の困っている人への優しい気持ち、同情する気持ち、憐れみの情が全編にわたって感じられる映画でした。ユーモアも交えて。アメリカはたいへんなことになっています。

ルーズベルトがやろうとしていた公的年金制度、公的医療制度はできないまま、
オバマがやろうとしていたけれど、これも今また難しくなってるらしく、アメリカは資本主義というよりも市場原理主義に完全に毒されてしまってるんですね。これを見ながらずっと思い出していたのが、竹中平蔵でした。

「シッコ」の後半にイギリスの識者のインタビューが出てくるのですが、この言葉、これが、アメリカ中枢部に巣食っている悪魔の権力者の真の狙いなのではないかと思わせました。
権力者は国民に「健康と自信と教育」を与えず、恐怖心を持たせ、士気を奪い、選択の自由をなくすと支配しやすくなると知っているのです。
彼らにとっては公的保険、公的年金、なるべく与えたくないというわけですか。
貧しく、恐怖があり、士気も落ちている人々にとって、命令を聞いて、最善を祈るのが一番安全だと思ってしまうのです。
国民が健康で、自信にあふれ、教育程度が高ければ、国のやり方にノーを突きつける勇気をもち、士気があがり、国の方針をも変える力になるはずです。

幸いにも日本では皆保険制度や公的年金などがあり、アメリカのような悲惨な状態になっていないけれど、これから持っているいい制度が壊されるかもしれません。今こそ、アメリカのひどい現状をしっかり知る必要があります。アメリカはさながら新自由主義の実験場、行き着く先、と思えます。
  1. 2011/10/03(月) 15:41:16|
  2. 新自由主義・市場原理主義
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