脱原発と改革派

官僚の責任 (PHP新書)官僚の責任 (PHP新書)
(2011/07/16)
古賀 茂明

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テレビ、ラジオなどで元官僚の一人として内部の問題点を詳しく語り、
今回の震災においての官僚の態度などを鋭く指摘した勇気は素晴らしいとかねがね思っています。

震災時、若手官僚は連日連夜徹夜で作業に当たったのですが、官邸は機能不全であったこと、
そして官僚の中堅・幹部らの責任回避と省益にとらわれる悪弊から抜けきらないことがわかり、
東電と銀行を守れと強い指示を出す幹部にやりきれない思いを抱いたそうです。

ただ、5章「バラマキはやめ、増税ではなく成長に命をかけよ」から、おや?と感じました。
財政は苦しいので、国民は痛みを分かち合うべきで、守られすぎの人は守らないでいくべきだと言う。
ちょっとくらいかわいそうな人は守らない、できるだけ自分の力で頑張ってくださいという。
特に持って生まれた身分のある人、たとえば農業従事者、企業経営者、開業医、そして高齢者もそうであると言う。
「努力なしで手に入れられる身分、地位の人まで救わなくていい」とはっきり言っていますね…。
年金受給年齢を80歳くらいにしてもいいのではとも。
というのも、年金制度を始めたときの平均寿命は今よりも短かったので良かったが、今では収めた分よりも多く貰っているのだという。皆、平均寿命までは働くなり、不労所得を得る方法を考えるべきだと提案。
高齢者が亡くなった時、収めた額よりも多く受給を受けた年金分を返還すべきだとも書いてあったのには驚きました。

働く意志があるのに仕事につけない人には、特に職業訓練、教育に力、多くの金をつぎ込んで社会に復帰してもらえるようにすべきであると。ハローワークのやり方も甘い、不正にお金を貰っている人もいるようなので、ハローワークも民間にしてもいいと。
TPPに参加して、小規模農家に退場してもらい、大規模集約化すべきだ、農業を甘やかしているうちに企業が海外に流失してしまっている!。ここで彼の主張がはっきり出ました。TPP推進派なんですね。

2011年の今となっては、市場原理主義、新自由主義、構造改革派、などがいかに危険なものだったかわかったと思います。
最近、脱原発を唱える人は、新自由主義者の小泉元首相も含まれたりしているので、新自由主義者でも脱原発と言う人が多かったりします。
この古賀茂明氏も脱原発ですが、改革派で、新自由主義的な発想が強い人なんだなとの思いを強くしました。
既得権益で甘い汁をすっている人たちを糾弾すると国民は胸がすく思いになり、そうだそうだ、と盛り上がるのでテレビなどで取り上げられます。

テレビラジオで活躍中の荻原博子さんもそう。
「TPP参加はこの弱い野田政権では決められないでしょうね」と残念そうにコメントしていました。
彼女も経済活性化のためにTPP参加すべきと思っておられるのでしょうか。



年金は納めた分だけもらえる人もいれば、早くに亡くなり、全然もらえない人もいるのですから、長生きして多く貰ったから、ずるいとかそういうものではないと私は思いますが。

失業者に対しては、文句をいわずになんでもいいから仕事につけ、と言っているようなものなのですが、人間には職業選択の自由があるはずですから、かなり厳しい意見です。不正受給者がそんなに多いとは思えません。怠けて儲けたいという人は中には必ずいるでしょうが、しかし多くはきちんと仕事したいはずです。

古賀さんは、助け合いの精神というのはあまり信じていないのでしょう。
私が思うに、確かに甘えた構造の官僚たちは許せませんけれど、努力しないものが楽しているように見える、ということだけで突き放すことや路頭に迷わせることはできません。感情的な憎しみはここはやめたいですね。
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2008年9月リーマンショックの金融危機から日本の政治経済に目覚めた普通の主婦です。今までB層とバカにされていたと気がつきました。

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