「資本主義の終焉と歴史の危機」(水野和夫著)を読んで

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
(2014/03/14)
水野 和夫

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図やデータ、文献を引用して丁寧に説明された文だった。
なかなか理解しがたい難解な表現があって、私のような経済素人には難しかったが、要点を抜き出してみた。

資本主義はもうすぐ終わる。今私たちは歴史の転換点に居る。
経済成長教の信者たちがずっとこれにしがみついていると、不幸である。
このまま成長を目指していけば、貧困が増え、格差が拡大する。中間層が没落する。
それがいっそうひどくなるだけだ。

日本は先進国の中ではもっとも早く資本主義の限界に突き当たっている。
1997年から超低金利時代に入ったのがその証である。

バブル崩壊後の経済処理については「富者と銀行には国家社会主義で臨むが、中間層と貧者には新自由主義で臨む」(ウルリッヒ・ベック)
こういうダブルスタンダードがまかり通っている。

そもそも資本主義のはじまる時期は説が色々あるが、12~13世紀だろうと筆者は思っている。イタリア・フィレンツェで利子が事実上容認された。本来キリスト教では金利を受け取ることは禁止されていたが、1215年ラテラノ公会議でおかしな理屈で容認された。
「利子が支払いの遅延に対する代償、あるいは両替商や会計係の労働に対する賃金、さらには貸付資本の損失リスクの代価とみなされるときには、貨幣貸付には報酬がなされてもよい」
教会は西欧では33パーセントが貨幣の許可ぎりぎりの線だと認めた。
33パーセントとは明らかに「過剰」であり「強欲」で、これは現在の資本家とも共通している。

新自由主義やリフレ論者たちは、せっかうゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレという定常状態を迎える資格が整っているというのに、今なお近代資本主義にしがみついており、それが結果として多大な犠牲とともに資本主義の死亡を早めてしまうことに気がつかない。
成長至上主義から脱却しない限り日本の沈没は避けることができない。

ということである。

資本主義システムは不完全であり、限界も見えてきた。もういい加減わかっているのだが、もう成長するにも地球上に空間がなくなり、アフリカなどの市場が残されているだけでもうすぐなくなる。市場を求めて強欲な多国籍企業が世界に広がっているが、いずれ食い尽くしたら、どこへいくのか。国は延命策をとり、いろんなことをしてこじらせている。
水野和夫さんが実際にこの先のシステムがどうなったらいいかはわからない、としている。
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2008年9月リーマンショックの金融危機から日本の政治経済に目覚めた普通の主婦です。今までB層とバカにされていたと気がつきました。

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