ニューテンの部屋

政治経済関係の本の内容紹介とその勝手な独り言など書いています。

「憲法改正」の真実を読んで。安倍政権は「静かなクーデター」中か。


小林節さんは改憲派、樋口さんは護憲派と相反する憲法学者が2人、安倍政権によって日本国憲法が壊されると危機感を感じてタッグを組んで対談をしておられます。
樋口さんの言葉は専門的で、ややわかりにくいものの、小林氏との対談形式になっているので読みやすくなっていました。

この中で、よくわかったことは、いま出している自民党の憲法草案はかなり危険でひどいものだということです。
いま、改憲に賛成することは日本にとってはたいへんな危機だということです。

なぜクーデターだと言ったかというと、安倍総理が「戦後レジームからの脱却」と言ったからです。
欧米の人がそれを聞くと、第二次大戦後の世界秩序から離脱したいのか?と危ぶまれ、安倍政権は革新ナショナリスト勢力だ、と思ったそうです。
普通、クーデターというと権力側を打倒して、憲法を停止、独裁政治を始めることですが、今回は権力側(安倍政権)が自らが権力をもって体制を破壊、憲法を停止しようとしている、これは「静かなクーデター」ではないかと。


自民党の憲法草案で、ひどい部分をあげるとまず、
現憲法 第13条 すべての国民は個人として尊重される。…

自民党草案 第13条 すべて国民はとして尊重される。…

と変えています。
「人」と変えると動物界で少し上程度の軽い存在で、「個人」とはあきらかに違ってきます。
以前、自民党の改憲マニアとつきあっていた小林氏は彼らが「個人の権利」を常にに否定したがっていたと言います。
「日本国憲法に個人主義が持ち込まれたせいで、日本から社会的連帯が失われた。だから個人主義を排して、社会の土台を作り直すのだ。」と改憲マニアたちは言います。
そして自民党は今の憲法は西洋かぶれの天賦人権ぶりでよろしくない、と言っています。
つまり、「日本の伝統の中には、一人ひとりが生まれながらにして権利をもっているなどという考え方はない」ことを示唆しているのではないかと。
信じられないのですが、片山さつき議員の発言はこうです。
国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました。2012年12月6日

驚きますね。自民党はこんなにひどい考え方を持っている集まりだったのか、と皆が認識しないといけませんね。
国民皆がもっとこういう話を知るべきですね。

明治憲法のほうが実はまともで、立憲主義を貫いていたそうです。立憲主義という言葉は私たちにはあまりなじみがないのですが、明治憲法時代にはかなり一般に浸透していたそうで、その証拠に、「ビリケンさん」という言葉、あれは「非立憲」が変化したものだそうです。
戦後は議員が主権者に選ばれた我々が一番偉いのだと意識が変わってしまいました。
安倍総理は、
憲法は国家権力を縛るものだという考え方は、かつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方である。今の時代には絶対的なものではない。2014年2月3日
としれっと発言していました。
人民に選ばれた俺たちを優先せよ、民主的に選ばれたのだから、俺たちの言うことを聞けよ、橋下氏も良く言うロジックです。ナチスドイツもそれを使いました。
多数派が支配的にふるまってよいという民主主義を立憲主義がそれに歯止めをかけるのだが、今はそれができなくなっているのだから、もう独裁政治が始まっているのかもしれないとも。
今の日本は北朝鮮の金ファミリーと変わらない状態に近づいている?!

安倍政権のつじつまの合わない感じは実は新自由主義を取り入れていることです。スイスダボス会議で安倍総理が「世界で一番、企業が活躍しやすい国に」と発言したそうで、岩盤にドリルで穴をあけるとか。
復古主義と新自由主義が妙につじつまが合わない感じで、草案の前文にもじつはしっかり入っていました。

…活力ある経済活動を通じて国を成長させる…。

美しい日本、家族愛、という復古主義は偽装で、結局は競争で日本を売渡す、破たんする社会においては個人はつらい、生きにくい社会になるので、いやしのことばとしての集団の温かみを求める復古主義が人々の支持を得るから、あえて入れているのだろうかと小林氏は推測しています。
「日本会議」の存在も無視できないのですが、ここでは深く話されていませんでした。

以下の話は安倍内閣の面々にぜひともきいてほしい話なのでここに載せます。

「虚偽の愛国心」
明治34年「人民読本」竹腰興一郎(子供向けに書かれた本)より

「何事にてもわれ国民の為したることは是なりとするが如きことあらば、
是れ、真正の愛国心にあらずして、虚偽の愛国心なることを忘るることなかれ。
是れ、他国に対して、我国民の信用を威望とを損するものにして、決して愛国のしわざにはあらず。」


つまり自分の国の人間がしたことだからすべて正しい、なんていうのはインチキの愛国心の為せる業だということです。他国に対して信用を失うことであると。

さらに「人民読本」では、愛国とは個人の生存、進歩させる目的からはずれたときには警鐘を鳴らし、是正させるようにすることこそ、愛国的行為であるとも述べています。国家について批判しないことを愛国心と呼び、無批判の状態に乗じて、利益を得ようとする者が恐ろしいことなのだ、と述べています。
まさに今の政府にすっかりあてはまります。
明治憲法のころの人間はもっとよくわかっていた人が多かったわけで、今の自民党をはじめ、国民もすっかり忘れ去っているようなのです。

安倍政権、改憲派は憲法の「生まれ」をこだわっているだけで70年使ってみて良かったのだから、よい「はたらき」をしたのだから、もう今更、「生まれ」云々のプライド論はどうでもいいじゃないか。国民は気にもしていないのだが、岸首相の孫の安倍など、戦前の支配層とその子孫だけがこだわっているのではないだろうか。そんな人たちに従っていていいのか?!日本国民!

本当の愛国心を発揮したいならば、今回の憲法改悪には反対しないといけないということがよくわかります。
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  1. 2016/06/21(火) 18:06:57|
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