「若者のための政治マニュアル」

若者のための政治マニュアル (講談社現代新書)若者のための政治マニュアル (講談社現代新書)
(2008/11/19)
山口 二郎

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この間の元旦の討論会(NHKスペシャル)で初めて山口二郎さんを知って、興味を持ったので読んでみた。
顔は少々怖いが(失礼)、気持の優しい人だなあ、と思ったが、やはり内容もそうだった。
題名からすると、若者向けなので、わたしのようなおばさんには向いてない内容ではないか、
と思ったが、普段あまり政治など考えていなかったような女性に向けてもいいのではないかと思う。

今の学生、若者は、人間的に優しいのに、差別に対する疑問、怒りが少ない。
権力者の行動を看破できるスキルを身につけないといけない。
格差など社会の荒廃の被害を受けている若者は辛い思いをしても、自分を責め、自殺する者、あるいは逆に、戦争でもないとやってられないと思う者が出てきているという状況だという。

さらに、今の時代は昔と違って若者の居場所はない。自分を認めてもらうことが減った。平和な日本の時代では会社内のコミュニティ、隣近所、学校に参加することであったのが、なくなってしまった。

最近の若者は権利ばかり主張するといえるだろうか?むしろ、ノーである。
若いサラリーマンはサービス残業して休みも自由に取れないで過労死が起こっている。
もっとわがままに権利を主張してもいいのである。
自信をもってわがままになろうと。

権力者は我々は社会の利益のためにしているのだ、と大きな顔をしているけれど、
実は個人の欲望だったりする。
1980年代くらいまでは日本的経営で国民が皆中流になって、企業に利益が出れば社会に還元した。しかし、小泉改革後の経営者は利益を上げると株主の配当と役員のボーナスに回し、社員を人と思わずコストカットのため簡単にリストラをするような経営者が賞賛されるようになってしまったので、ますます格差は開いていった。

しかし新自由主義の考えが日本で賞賛されて受け入れられたのは何故だろうか?
小泉改革が熱狂的に受け入れられたのは何故か?

日本では、会社が個人の生活のすべてを面倒見てくれるリスクカバー型になって安楽ではあったが、ある意味息苦しさを感じ始めた。会社からひとたび離れて生きることは危険なことであった。
官僚支配や政治腐敗がリスクカバーと結びついていた。公共事業の談合、税金の無駄遣いをもたらす。官庁の役人が談合する会社に天下りするということで政治家も口利きで結びついて献金が流れ、賄賂も行き交じった。90年代に入った頃、こうした腐敗が度を越し、さらにバブル崩壊と経済の長期停滞、さらにグローバル化でアメリカ流の自由競争主義が世界中に広まり、規制緩和や民営化が進められ、労働者保護のルールもはずされる。雇用のリスクが高まってきた。そこに小泉純一郎が現れた。

本文より抜粋
小泉はある意味天才で、皆によいことをするという幻想を抱かせた。彼は腐敗と特権を正し、自民党をぶっ壊すと言った。
日本における小さな政府路線のリーダー、小泉純一郎という政治家は、保守政党の出身でありながら、ユートピア主義者であった。そのユートピアを飾り立て、人々に受け入れさせたのが、改革と言うシンボルであった。バブルが崩壊して以来、日本は長期的な停滞状況にあった。さらに21世紀に入ってからは、人口減少も始まり、人々は不安を募らせている。こういうときには、旧来のしくみを根本的、抜本的に変革することが必要だという議論に人々は期待した。
90年代後半の行政改革の基本構想では、日本国民に、今まで行政に依存しすぎていたことを反省させ、規制は徹底的に撤廃、緩和し、民間にゆだねるべきはゆだねる。政治的にも自己責任論が正当化されていた!!

新自由主義において努力したものが報われる社会とは、一次元的なものさしで図った場合の能力や努力の評価であって、勝ち残った者のみが金持ちになり(金持ちになること勝ちであるとするならば)報われるだけの社会である。尺度が金だけ。

小泉改革では言葉がたくみに使われ、弱い立場になる人さえ、彼を応援してしまった。

”情けは人のためならず”ということばは情けをかけるな、という意味ではない。人に情けをかけると自分にもいつか帰ってくる、為になる、ということである。これは日本の伝統的な落語の世界によく出てくる。昔から日本にあったものであるが、今やそれが少なくなってしまって自己責任論が横行しているのが悲しい。

で、あるので、若者、国民は、権利を生かして政治家を良くみて選んで、権力者や政治家の行動を看破しよう、という話である。

ずるい権力者は、国民の無知さに乗じて、イメージ、雰囲気で政治家を選んでしまうことを研究していて、それに力を入れて、政治家(or政治家に意見を言える立場の人間とか)になり、結果、彼らの利益になるような政策を知らないうちに作り上げてしまうんですよね。気がついた時はもう出来ていて、驚く。今はまさに自分は気がついたところであるが、これからは、だまされないようにしなくては!と思う。
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Author:newten
2008年9月リーマンショックの金融危機から日本の政治経済に目覚めた普通の主婦です。今までB層とバカにされていたと気がつきました。

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