「私物化される世界」

私物化される世界―誰がわれわれを支配しているのか私物化される世界―誰がわれわれを支配しているのか
(2004/03)
ジャン ジグレール

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この本のカバーにある言葉は
「巨大な富を独占する少数者を生み出し、人権、自然、国家を破壊し、
飢餓と犯罪を創出するモラルなき市場経済至上主義を糾弾(きゅうだん)する。」


グローバル化というものがいかに富を一極集中させて貧富の差を生み出すかが書かれている。
実を言うと、翻訳本だからかなり読みにくくて、買ってからずっと全部は読みきれないでいた。
しかし内容は濃いので、たまに読み直したい。
ここから、ごく一部を少し書き出してみます。

******
(グローバリゼーション)
実に崇高なイデオロギーである!
ネオリベラリズムは好んで、「自由」という言葉を用いる。
制約なんぞ、くそ食らえ、民族、国、人間の間の垣根など飛び越すのだ!
各人に全面的な自由を、全員にチャンスと幸福展望の平等を!
いったい誰がこれに反対しようか?
これほど幸福な展望に魅惑されない者があろうか?

人間間の社会正義、連帯、そして相互補充は?諸民族間の絆、公共の福祉、自由意志に基づいて受け入れられた秩序、人間を解放する権利、不純な個人の意思を共同体の規制によって変換させることは?
すべて承知の上さ!そんなのは古風な戯言だと、多国籍銀行やグローバル化した企業の有能な若手マネージャーは笑い飛ばす。

****
国連貿易開発会議事務局長ルベンス・リクペロ氏は
彼は国連の中では節度のないグローバル化に反対する人物である。
彼は2000年、ジュネーブ大学で驚くべきテーゼを発表した。

史上、もっともグローバル化した社会の1つは(ルシタニアの副王国)ブラジルであった。

16世紀初頭から19世紀の20年代にいたるまでほぼ、完全に世界市場に組み込まれていた。
砂糖、コーヒー、タバコ、鉱産物、のほとんどがすべてが輸出された。
逆に輸入されたのは支配者階級の生活必需品だった。
ブラジルの国内市場はほとんど存在しないも同然であったし、国内の基本蓄積は非常に薄弱だった。農業は大土地所有制を基盤としていて国内工業は停滞していた。
国民はといえば、政治的に存在していなかった。労働力は基本的には奴隷によって調達された。
つまり、国内経済が世界市場へ最大限に統合されれば、グローバル化した国内経済は最大限に解体されることになる、というのがリクペロの結論だった。

リクペロの理論はかつての話だが、現在のブラジルにも十分適用可能、同じことが他の多く
の南半球の国々にもあてはまる。
グローバリゼーションはすでに弱体化されて免疫力を奪われた社会に激烈な打撃をあたえるのだ。

***
こういう前例がありながら、日本はこの先もグローバル化していくつもりなのだろうか?
そして次第に日本も南半球の国々と同じになる。
せっかく、総中流社会を築いてきた日本なのに、壊されていく…。
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2008年9月リーマンショックの金融危機から日本の政治経済に目覚めた普通の主婦です。今までB層とバカにされていたと気がつきました。

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